忘却

こんにちは。ごとりんです。さて先週はちょっと急ぎの用がありまして,ばたばたしているうちに脚本を仕事場に忘れてきてしまいました。「ちょっとあれかな,認知症かな」とかいろいろ自分なりに考えることがないわけでもなかったのですが,その後,20代のかずみん,タンバの二人も脚本を置き忘れ。これはまあ,二人とも若年性なんとかかもしれません。

「何かを忘れる」というと,ハリウッド映画などでは,辛い経験をするあまり,その前後の関係をすべて忘却してしまった主人公などがでてきます。マット・デイモン主演の『ボーン・アイデンティティ』とかジム・キャリー主演の『エターナル・サンシャイン』,ヒチコックの『白い恐怖』なども記憶を失う系譜の映画といえるでしょう。ミッキー・ロークと呂バート・デニーロが出演した『エンゼル・ハート』も「忘却」に関する映画かもしれません。

こうした一連のハリウッド映画だと,記憶喪失の原因を探っていくうちに自分ですら忘れていた驚愕の事実が再発見され,ドラマは最高潮へ…というのが1つのパターンとなります。しかし,現実問題としてはどうでしょう。忘れたくなるような出来事があったのであれば,そのまま忘れてしまうという方法もありえるような気がします。いや,もちろん脚本のことを忘れたいと思っている役者はいないはずなのですが。精神療法などでは,昔は子供の頃に受けたトラウマ(心的外傷)を患者に克明に想起させていたようですが,最近は無理に思い出させたりはしないようです。事情があって忘れたことならば,無理に思い出させる必要性もないということなんでしょうね。

で,実は今回のお芝居では「忘却」も1つのテーマになっています。「思い出すべきか」「思い出さないべきか」…忘れたいことならば,むしろ思い出さないほうがいいこともありそうですが,ハリウッド映画だったら,思い出すところから「物語」が始まります。ジム・キャリー主演の『マジェスティック』という映画では,いったん昔を思い出して,それでもさらに記憶喪失中の生活に復帰するパターンというのもありました。果たして「成仏は一日にしてならず」ではどちらを優先するのでしょうか。結末をお知りになりたい方はぜひ劇場へ。

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