舞台美術は家庭的か科学的か。

こんばんは。かずみん@舞台美術です。

今日から小屋入りです。

 

今回は廃校が舞台の芝居なので、「廃校感」にこだわってみました。

ポイントは「劣化」です。

 

まず、紙。

大航海時代の地図とかなら、コーヒーに漬ける方法が有名ですが、今回は10年程度の劣化なので、それではちょっとやりすぎ。

しかもそれだと均一に染まりがちなんですよね。

ちょっとこう、まだら感が欲しいというか……

そこで採った手法が、

 

①日光浴

 

ベタです。というか一番正しい方法です。

紙の劣化の大きな原因は、紫外線ですから。

ただ、当然ながら10年物の劣化を演出するには日数が足りなかったので、頭をひねった結果……

 

②酢醤油

 

に辿り着きました!

霧吹きで酢醤油をかけます!まじで!

薄め方と、乾いてからの重ね塗りで、適度な風合いが出せます。

紙の劣化の原因には、「酸化」もあります。

なので、酸をかけることにより、劣化を促進することができると考えたのです。

酢そのものの黄味がかった色も、劣化っぽいですしね。

そして最後に、濃いめの色や、砂っぽいじゃりじゃりした感じを出すのに、

 

③コーヒー粉

 

を使用しました。

コーヒーの出がらしを塗りたくるだけ。

こっちの作業はいいにおいなので、ちょっと嬉しい。

酢はちょっとテンション下がりますからね。

 

紙類はこんな感じとして、困っているのはアルミ。

アルミは劣化しても白くなるだけなんです。

でも、スチールのように、錆びた風合いを出したい。

そこで今からチャレンジするのが、

 

④古い釘&食塩水

 

です。

「もらい錆び」現象を起こしたいと思います。

これは、錆びのつかないものでも、錆びたものと接触させておくと、錆びが移るという現象です。

食塩水で錆びを促進します。

工具類を整理していたら、前回公演の使用済み釘が出てきたので、利用します。

捨ててなくて良かった。ただの不精だけど。

まぁ理論上の話なのですが……うまくいくかな……。

 

そんなこんなでこだわった「廃校感」、ぜひ現地で見てくださると嬉しいです!

劇団ぼるぼっくす恒例(?)、職人カネハのちょっとアレな作品も、ちょっとずつ仕込んでありますよ!

ご予約はこちらから承っております(外部サイトに飛びます)

皆様のご来場をお待ちしております!

 

かずみん

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